現地校か、インターナショナルスクールか
渡英前に最も悩んだのは、子供たちの学校選びでした。特に高校2年生の息子は、赴任期間中に大学進学を決める必要があり、学年を下げる時間的な余裕はありませんでした。そのため、現地校は諦めてインターナショナルスクールへの進学を希望することにしました。
ロンドン北部フィンチリー地区のインターナショナルスクール
いくつかの学校を調べ、最終的に以下の2校を検討しました。
①Dwight School
この学校はIBプログラム(国際バカロレア)を提供しています。IBは世界共通のプログラムで、世界中にIB校が存在します。
18歳の卒業前に6科目の試験があり、大学進学につながります。
②Mill Hill International
イギリスのカリキュラム(GCSE)に基づいた学校で、16歳(Year11)の卒業前に6〜8科目(またはそれ以上)の義務教育修了試験(GCSE)を受けます。基準点を取ると、Sixth Form(Year12ー13)に進学し、3から4教科を履修。その後、A-level(大学入学レベルに相当する試験)を受け、大学進学を目指します。
Mill Hill Internationalを選んだ理由
息子の場合、問題となったのが英語力でした。IB プログラムは卒業時のテストの科目数が多く、エッセイも多いと聞いていたため、選択肢が限定されることも考慮し、苦労す流のではないかと判断しました。
一方、イギリスのカリキュラム(GCSE・Alevel)は得意な数学や理系の科目を中心に履修することができるため、息子の強みが生かせると考え、Mill Hill Internationalを選びました。
オンライン入学試験の結果、息子は1学年落とすことに。娘は2ヶ月の家庭教師受講を条件に再試験。
両校ともにオンライン面接を数回受け、先生方から丁寧な説明を受けました。ホームページからで得られる情報も大切ですが、実際に先生と話すことで学校の雰囲気を掴むことができるので、おすすめです。
次は入学試験です。2日にわたって合計4時間かかりました。
・Oxford Placement test 80分
・Written test 40分
・CAT 4 テスト(言語、非言語、数量、空間)2時間15分
・校長先生との面接
パソコンとは別にスマホを用意し、部屋の隅からドアを含めた全体を映しながらの受験となりました。
オンライン入学試験の結果、息子は1学年下げることで入学が許可されました。
娘は不合格でしたが、条件付きで再試験を受けられることになりました。その条件とは、英語のオンライン授業を毎週最低10時間、2ヶ月後の渡英前まで受講することでした。
聞き間違いで、冷や汗の経験
ここで忘れられない出来事があります。英語のオンライン授業の料金が気になり、Zoomの面談時に、「時給はおいくらですか?」と聞いたところ、「Fifteenポンド」、との答え。これなら払えそうだね、と夫とその場でイエスとお返事をしました。しかし、後日、学校からの確認メールには「Fifty ポンド」と記載されており、絶句しました。Fifteen(15)とFifty(50)を聞き間違えたのです。当時、£1=150円。この頃から、金銭感覚が麻痺していくのを感じました。
重要事項は文字で確認
この経験から学んだのは、大切な事項は文字で確認することの重要性です。聞き間違いを防ぐためにも、しっかりと確認しましょう。
GCSEとA-Levelについて
イギリスには、GCSEとA-Levelという二つの全国学業修了認定試験が非常に重要です。
Year11(16歳)で受けるGCSEと、Year13(18歳)で受けるA-Levelの成績は、大学受験に必要なだけでなく、生涯有効な資格として履歴書にも記載されます。
そのため、親は子供が小さいうちから良い教育を受けさせるために学校選びに熱心になります。
逆に、義務教育修了試験であるGCSEが近い学年(Year11)になると、学校側が成績評価を下げることを避けるために、英語力の低い生徒を受け入れないか、学年を下げられることもあります。これは、子供達に無理をさせない判断とも言えるでしょう。
現在の息子の状況
幸いにも、息子はGCSE終了後、公立高校(Sixth Form, State school)に進学し、数学、物理、経済を履修しています。大学では数学を専攻したいとのことです。息子が通うKing’s College Math Schoolについては、また後日投稿します。
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